「始末書」と「顛末書」の違いや始末書の書き方、例文の紹介

ビジネスでのふしぎ

職場でミスや不祥事を犯した場合に従業員が提出する「始末書」と「顛末書」は、提出の目的や内容、企業による強制力に違いがあります。

始末書と顛末書の違い

始末書は、過失や規則違反を謝罪し、再発を防ぐための書類で、内容は比較的簡潔にまとめられる傾向にあります。

一方で、顛末書は事実関係を報告する書類で、詳細に事の経緯を記述する必要があります。

企業は従業員に顛末書の提出を業務命令として要求することができ、提出を拒んだ場合は就業規則に基づいた処分を下すことも可能です。

しかし、始末書の場合は、企業が提出を求めることはできますが、憲法第19条の「思想及び良心の自由」に反する可能性があるため、強制的に書かせるのは避けるべきです。

始末書は主に謝罪を目的としており、これを強制することは反省や謝罪の意志を強要すると受け取られることがあるため、トラブルを回避するためにも、始末書の強制は避けた方が良いとされています。

始末書の書き方は?

始末書の書き方

始末書を書く際は、内容が相手にしっかりと伝わるように心掛けることが大切です。効果的な始末書の書き方には、以下のようなポイントがあります。

まず、事実を正直に書くことが重要です。ミスをした時には責任を軽くしようと言い訳をしてしまうことがありますが、始末書では事実を正直に書くべきです。正直に書くことで、反省の意が相手に伝わります。

また、年月日や時間を明確に記載することも大切です。「いつ、どこで、何が起こったのか」を具体的に書くことで、読む人が事の経緯を理解しやすくなります。たとえば、「〇月〇日14時30分に国道15号線の〇〇交差点で衝突事故を起こした」といった具体的な記述が効果的です。

さらに、文章は簡潔にまとめることが肝心です。

長すぎる文は分かりにくくなるため、ポイントを絞ってわかりやすく書くことが求められます。文字数の多さよりも、反省の意が伝わる内容が大切です。

これらのポイントを押さえて始末書を書くことで、相手に効果的に伝わる文章を作成することができます。

始末書を書く際には、何をどう書けば良いか迷う方が多いかもしれません。以下では、具体的な事例に基づいた始末書の書き方をご紹介します。

遅刻した場合

遅刻に関する始末書では、過去の注意を受けたにも関わらず改善できなかった点に反省を示します。

例えば、「過去に繰り返し注意を受けていたにも関わらず、〇〇年〇月〇日から〇〇年〇月〇日まで無断で遅刻を繰り返しました。これは私の自己管理不足であり、弁解の余地はありません。今後は遅刻をしないよう自己管理を徹底し、業務に専念します。」

物を紛失した場合

物を紛失した場合の始末書では、紛失した日時や現在の進捗を明確に記述します。

例文としては、「〇〇年〇月〇日に会社から貸与された携帯電話を失くしました。皆様には大変な迷惑をおかけしました。現在、警察に遺失届を提出し、紛失した場所を中心に捜索していますが、未だ発見できていません。今後は貸与品に対して注意を払い、このようなことがないようにします。」

データを誤って削除した場合

データ削除に関する始末書では、いつどのデータを誤って削除したかを明記します。

例文としては、「〇〇年〇月〇日、経理データの一部を誤って削除しました。当時、〇〇年〇月から〇〇年〇月のデータバックアップ作業中に、不要なデータと思い削除し、重要なデータも誤って消去してしまいました。これは私の集中力不足が原因であり、深く反省しています。今後は作業を慎重に行い、同様のミスを繰り返さないよう努めます。」

まとめ

始末書は反省の意を伝えるための文書ですから、相手に伝わるような内容と書き方が重要です。

始末書を提出した後は、同じ過ちを繰り返さないよう、業務に誠実に取り組むことが大切です。

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