英語では鮭を “salmon(サーモン)” と呼びますが、料理の際には「鮭」と「サーモン」の呼び名が異なる場合があります。
天然の鮭や加熱して食べるものは「鮭」と呼ばれ、反対に養殖された鮭や生で食べるものは「サーモン」と呼ばれる傾向にあります。
例えば、寿司屋では生のにぎりを「サーモン」、炙りのにぎりを「鮭」と呼んでいます。
この呼び分けの背景には、寄生虫アニサキスの存在が関係しています。
天然の鮭にはアニサキスが寄生していることがあり、これをそのまま食べると食中毒を引き起こすことがあるため、加熱して食べる必要があります。
一方、養殖されたサーモンは人工飼料を食べており、アニサキスのリスクが低いため、生で食べることが可能です。
この用語の区別は、1986年にノルウェーから日本に伝わった鮭の養殖技術により始まりました。
養殖された鮭を市場に出す際、「サーモン」という名前で販売されるようになり、それが定着しました。
その結果、加熱する必要がある天然の鮭は「鮭」と呼ばれ、生で食べられる養殖のものは「サーモン」と区別されるようになったのです。